重症心身障害児の看護は、長期的に患者の体調管理や生活支援を行う仕事です。両親と離れている患者も多く、親代わりとして一人ひとりの患者と向き合い、深く長く関わっていきます。
患者とのコミュニケーションが取りにくく、対応が難しいこともありますが、日々生活を支援していく中で、患者の良い反応や笑顔が見られたときにはやりがいを感じることのできる仕事です。

重症心身障害児の看護では、食事や入浴の他に、排泄の介助なども行うため、体力勝負な面もありますが、体調の変化を自分で伝えることのできない患者を日々観察していく中で、消化器や呼吸器、皮膚症状など様々な知識を身に付けることができます。
また、医療的なケアだけでなく、日々の生活を充実させるために、運動会やクリスマス会など、季節に合わせた行事やイベントが行われることもあります。イベントを企画して、一緒に制作活動や飾り付けをするなど、楽しみながら家族の様な関わりを持てるようになります。

慌ただしい急性期と違い、慢性期ではのんびりとした時間が流れています。じっくりと患者と向き合うことができる環境は、人と人とのつながりを深めることでしょう。患者の成長を間近で見ることができ、時に看護する側が励まされ、癒やされる、そんな心と心のつながりも大切にできるのが重症心身障害児の看護の特徴です。看護ケアを通じて、重症心身障害児だけでなく様々な人々を認め、相手をいたわり、人を幸せにする福祉の心が養われていくでしょう。