重症心身障害児施設で働く看護師によくある問題として言われているのが、精神的にも身体的にも負担が大きいことや、看護技術が成長できない点です。
重症心身障害児施設で働く看護師の仕事は入所している障害児の日常生活の支援が中心となっており、障害の内容によっては器具や機械の取り扱いに関する技術を身につけることは可能です。ただ、採血や投薬などの一般的な看護技術に関しては携わる機会が少なくなるため、看護技術を身につけることがどうしても難しくなります。
そのため、看護師でありながらも介護士のような対応を行う場合が多くなってしまうことから、看護師としての成長や仕事内容に関して不満を感じやすい傾向があるようです。
また、重症心身障害児施設で生活している障害児の多くは日常生活のケアや援助が不可欠なので、体を使う業務や力仕事が多くなりやすい環境でもあります。そのため、体力に自信がない看護師の場合は、身体的な負担を感じやすいのはもちろん、夜勤やオンコールがあれば体を休める機会も限られてきます。
さらに、重症心身障害児施設では合併症を併発するなどして亡くなってしまう子供や、体調を崩してしまう子供も少なくありません。このような点から、身体的な負担だけではなく、精神的な負担を感じる看護師も多いようです。
これらの問題に関しての改善案としては、まず重症心身障害児施設での看護師の役割を改めて理解するとともに、ほかの看護師仲間と連携を図る、転職を検討するなどの方法が挙げられるでしょう。